子供の頃、お小遣いをもらったら、それをすぐに使っちゃうほうでしたか?
それともコツコツ貯金しておきましたか?
最近の子供たちは、お小遣いを使って、すぐにコンビニでお菓子やカード類を買うことが簡単にできる環境に住んでいることが多いですよね。
実際に、うちの近所でも、放課後、コンビニへ行くと、お菓子を買いに来てる子供がちらほらいます。(一昔前の言葉で言うと、「買い食い」です)
もちろん、それは悪いことでもないのですが、気をつけていただきたいのは、
子供のころからこういう習慣をつけてしまうと、将来、子供がお金持ちになる可能性が低くなる
ということなんです。
「どうして買い食いしてるだけで、将来お金持ちになれないと言えるの?」
「自分のお小遣いの範囲内で使っているんだから、悪いことではないのでは?」
と思われる人もいるでしょう。
でも、今のうちに、この習慣をやめるようにした方がいい、というのが、私の個人的意見なのです。
理由を説明する前に、そもそも買い食いの習慣は悪い事なのか、という点についてお伝えしましょう。
買い食いは浪費癖の始まり?
一昔前だと、いわゆる“買い食い禁止”の学校がほとんどでした。
でも最近は、買い食いを禁止している学校はあまり聞きませんね。
共働きの家庭が増えて、子供が学校から帰ってきても親が不在のため、テーブルの上のおやつ代を持っておやつを買いに行く子供が増えていることも原因のひとつかもしれません。
私は子供の頃、まさに、このおやつ代でおやつを毎日買いに行く子供でした。
それだと自分で好きなおやつが食べられるし、ちゃんと計算して予算の範囲内で買う習慣が身に着く、という意味では、悪いことではないでしょう。
ただし、別の見方をすると、置いてあるお金を全部使ってもいいんだ、という気持ちにもなるのです。
もちろん余ればおつりとして、返さなくてはいけませんが、できれば、ぎりぎりまで使って、たくさんおやつを買いたい、と思うのが、普通でしょう。
これが続くと、何も考えずに、衝動的に目についたものを予算いっぱいまで買うことにもつながるため、お金を目的を持って計画的に使うという考え方が身につきにくいとも言えます。
例えば、親の教育次第で、「おやつ代が余ったら、貯金にしてもいいよ」、ということであれば、余らせるように必死で計算するかもしれません。
そして、余った分をためて、おやつ以外の好きなものを買うかもしれませんね。
他には、例えば、全部自分のお小遣いの中からおやつ代を出す、ということであれば、計画的に使おうという気持ちも出てきます。
1か月で使えるお金が決まっているので、次のお小遣いをもらえる日までは、これでやりくりしなくてはならないからです。
実際、毎日少しづつでも使っていると、お金なんてあっという間に無くなってしまいます。
特にコンビニは、スーパーや駄菓子屋に比べて、値段が高いですから、150~200円のお菓子を毎日買っていたら、1か月で3000円近くも消費することになりますね。
コンビニには、お菓子以外にもジュースや、子供向けのおもちゃや、カードゲームなど大変魅力的な商品も売っています。
子供にしてみたら、手軽に好きなおやつや、カードを買えるので、便利なんですよね。
何も考えずに衝動的に買っていたら、小学生がもらうお小遣いでは足りなくなります。
とにかく、子供にお金の使い方を学ばせるには、ちょこちょこと買い物をさせないような工夫が必要だと思います。
大人になってからどうなるか?
買い食いなどを衝動的にやっていることが癖になっている子供は、今後どうなるでしょう?
あくまでも、私の個人的な見解ですが・・
おそらく、自分で自分の生活をコントロールする力があまりつかなくなる可能性があります。
実は、私が今まで出会った大人たちの中でも、何人かいたのですが、
50代になっても、
貯蓄をする習慣がない
お給料が出たら、すぐにパチンコ屋に直行
普段から、コンビニやファーストフード、カフェチェーンのものを毎日のように食べたり飲んだりしている(自炊しない)
健康管理ができていない
節約する習慣がない
など、実際そのような大人がたくさんいるのです。
これは、本人の責任だから放っておけばいいのですが、他人ごとながら、本当にこれでいいのかな?と心配になります。
貯金すればいいというわけではない
ここからは、使う方ではなく、貯めることについてです。
子供にお小遣いを与える時、親はよく、「貯金するんだよ」と言うでしょう。
これも、欲しいものがちゃんと決まっていて、そのために貯金しておくのはいいことです。
ただ、ひたすら貯めておいて、全然使わない、というのも、どうなんでしょう?
私は、本当に欲しいものがあって、お小遣いで買いたいと思うのなら、そうさせるのが適切だと思います。
世の中は、お金が回ることで、成り立っています。
「金は天下の回りもの」
ということわざがあります。
これは、何もしなくてもお金が入ってくるのではなく、きちんと自分にとって必要なもの、更には、誰かのために使う、ということを自分で考えて使う事で、後に自分にとってもメリットがある、ということです。
自分なりの尺度を持たせる
お小遣いを使う時、最終的には子供自身で判断して使うのが正しいですが、相談されたら、親もアドバイスしてあげるといいでしょう。
子供はまだ、モノに対する価値というのがわからないことが多いですから、これにこれだけ払うのは高いのでは?などと、意見を言っていいと思います。
ただ、最終的には子供に決めさせるようにすることで、子供自身も、よく考えて、自分のお小遣いで払うには高いだろうか安いだろうか、などと、自分なりの尺度を持てるようになるでしょう。
そうやって、いったん自分の頭で考えて払うかどうか決める、という習慣をつけることは、大切なことです。
ここで注意することは、人それぞれの価値観があるので、なにを基準にするか、ということが重要だということです。
以前、私の知り合いの年配の人に、
「この前ライブを観に行って、チケットが1万円かかったんですけど、すごく楽しかったんです」
というような話をしたら、
「意外と高いんだね、それなら外食○回分の方がいいわね~」
と言われたことがありました。
金額で言うと、確かに、そうかもしれませんが、その発言は、それを観に行くことで得られるものを無視していることになります。
旅行に行ったり、推し活の一環としてライブなどを観に行く事って、確かに一回行ったらそれでおしまいだし、目に見えるものが残るわけではありません。(せいぜいグッズとか)
でも、人によっては、わざわざそのためにお金を払って行くことで、感動したり、楽しかったり、新しい出会いがあったり、その場の雰囲気を感じたり、という「体験」が出来るわけです。
ですので、美味しいものを食べたり、服を買ったり、ということも、もちろん楽しい経験ですが、モノだけに消費する以外にも自分なりの価値観で、何か特別な体験ができる対象を見つけることも人生を豊かにする上で必要かもしれません。
例えば子供を連れてミュージカルや博物館などに行き、心から感動したり、もっと知りたいと思わせるような経験を積むことも大事なことでしょう。
ここまでの話と関連しますが、「自己投資」というのも、子供のうちから身につけさせたいものだということを次でお伝えしておきましょう。
自己投資の考え方を身につけさせる
子供に投資だからと、株をやってみろと言う親は、多くはいないと思います。
中には、かつて世間を騒がせた村上世彰氏の父のように、小学3年生の彼に100万円を渡し、それがきっかけで村上氏が株を始めたケースもありましたね。
いきなり株とまではいかなくても、自分にとっての投資となるようなものにお金を払う方法もある、ということを伝えておいてもいいと思います。
この自己投資の考え方は、大人でも意外と持っていない人は多いのです。
そういう人は、「目に見えるもの」を中心にお金を使おうとします。
お給料をもらったら、外食、家賃、車、服、飲み代などに使って終わり、というパターンです。
しかし、自己投資の感覚を持っている人は、そのことが後に大きなリターンとなって返ってくることがイメージ出来るのです。
自己投資の代表は「学ぶこと」です。
他にも「経験」があります。
大人だと経験に関連して「人脈づくり」も入ってくるでしょう
自分への投資は、すぐにはリターンがありませんが、数年後、例えば大きく稼ぐ事が出来るようになったり、成長したり、ということが起こるのです。
ですので、子供には、とりあえず、本を買うこと、をすすめてみてはどうでしょうか。
自己投資の考え方が身につくと、今後働いて稼ぐようになった時に、将来を見据えて何にお金を使うか、ということを判断できる感覚が身についてくるはずです。
まとめ
子供のお小遣いを考える時、いくらあげたらいいか、とか、無駄遣いしないだろうか、ということにばかり気を取られがちですが、使い方について、よく話し合う事はとても大切な事です。
特に、自己投資というものがどういうものなのか、子供には繰り返し理解できるように話してみるといいでしょう。