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子供1人育てるのにかかるお金はどれくらいあれば安心?今から将来に備えよう

子供を育てるには、とにかくお金がかかるもの、というイメージが強いものです。

最近では、子供を大学まで行かせたり、私立の学校に通わせる家庭も多くなってきています。

「子供の友達がお受験するから、ウチも」、と安易に決めた後で慌てないよう、今のうちに子育て費用について確認しておきましょう。

 

子供1人にかかる費用は3000万円!?

一般的に、子育ての費用は、トータルで3000万円くらい、と言われています。

これは、私立に通わせることも考えた場合なので、全て大学まで国公立、とすれば、800万円くらいでおさえられるものです。

しかし、実際は、教育費といっても、高い塾や習い事に通わせると、その費用はかなりかかってきます。

どんなことに使うことになるのか、具体的に見ていきましょう。

 

子育て費用に含まれるもの

子育て費用と一口に言っても、どこまでが含まれるのでしょうか?

一般的には、教育費と、それ以外の子供を養育するための養育費、とで成り立っています。

ここでは、内閣府による「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」及び、文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」のデータを参照しながら、算出してみます。

 

妊娠・乳児期(生まれてから幼稚園入園前)

妊娠してから、幼稚園に入園するまでの費用って、個人差がありそうで想像しにくいですよね。

内閣府の調査では、未就園児の年間子育て費用の総額は、843,225円となります。

子供が生まれてすぐは、日用品や、子供のための預貯金、保険のためにお金を使う家庭が多いこともわかっています。

ここでは、特にお金がかるイメージの強い、出産にかかる費用について、より詳しく見ていきましょう。

 

妊婦健診費

「妊娠したらとにかくお金がかかる!」思いがちです。

確かに産婦人科にかかったときの費用は、自費扱いとなるため、一回につき、平均4〜5千円(特別な検診を受けると1万円前後)くらいは支払うことになります。

出産までは、14回ほど受診することになりますし、それ以外の検査費用も合わせると、総額は10万円ほどになるでしょう。

しかし、各自治体では、この妊婦検診の費用を助成してくれるので、実際はそれほど負担は感じないようになっています。

自治体が発行してくれる、妊婦健康診査受診票は妊娠判定検査には利用できないので、 母子健康手帳交付後からの妊婦健康診査から利用できます。

この受診票を、毎回の検診の際に提出すれば、費用はほとんどかからないか、受診票に記載されている検査以外の検査についてのみ支払うことになります。

ただし、これは、自分の住んでいる県以外の場所では使えませんので、里帰りのために、違う県で検診を受ける場合には、後から償還制度を利用することになります。

 

出産準備費

妊娠中は、検診の他にも、意外にかかるのが、出産準備費に当たるものです。

これは、マタニティ服などのお母さんのための衣類、安産祈願、学習、マタニティヨガ、妊娠中の家事代行などの費用となります。

平均すると、全体で、6万6千円です。

 

では、いよいよ出産となると、金額はどれくらいになるのでしょう。

出産費(分娩・入院)

出産、つまり分娩費用は、とってもお金がかかるものです。

私も出産するまでは、よくわかっていませんでしたが、妊婦検診とはわけが違います。

病院によっても地域によってもかなり差はありますが、40万~60万円くらいです。

ちなみに、私が出産した時には54万円ほどでした。(結構高い方です)

これを知ると、

「子供を産むって、お金がめっちゃかかるものだな~」

と思いますよね。

これに関しても、もちろん助成制度があります。

健康保険に加入している人に対して、「出産一時金」として、42万円の補助が出るのです。

分娩費用全てをカバーするものではないですが、そんなに出るの?というくらいの金額ですね。

逆に、いかに分娩費用が高いかがわかります。

「出産一時金を出してもらったとしても、10万円以上は自分で負担しなければならないんでしょ?」となると思いますが、ここで忘れてはならないのが、確定申告の医療費控除制度です。

年間の医療費が10万円を超えた場合に、医療費控除の手続きを取れば、一部が戻ってくるので、忘れずにやっておきましょう。

面倒な手続きだと思って躊躇しがちですが、国税庁の確定申告に関するページを開いて、医療費集計フォームに入力していけば、どれくらいの金額が戻ってくるかがわかるようにもなっています。

ぜひ忘れずにやっておきましょう。

これ以外にも、経済的な理由で分娩費用を払えない人に自治体が費用を助成する制度もありますので、該当するかどうかは、自治体のHPなどで、調べてみましょう。

 

ベビー用品費

産後必要になるベビー用品は、一般的に10万円ほどお金が必要になってきます。

素材にこだわりたい場合や、全て新品で揃えようと思うと、これの倍以上は見ておく必要がありますね。

 

・肌着、ベビーウェア  1万円

・授乳用品 1万円

・ねんね用品(ベビーベッド、布団、防水シーツなど) 3万円

・オムツ用品(紙オムツ、オムツ用バケツ、おしりふきなど)9千円~

・お風呂用品(ベビーバス、お手入れ用品など) 8千円~

・お出かけ用品(ベビーカー、チャイルドシート、抱っこひも、おもちゃ、バッグなど) 4万円~

 

これらは、中古品や、レンタルで済ませられるものも多いので、できるだけそういったものを利用するようにするといいでしょう。

特に、肌着やオムツ用品などは、今後も継続して購入していくものなので、継続的な出費となっていきます。

 

では、次からは、幼稚園入園以降について見ていきます。

幼稚園・保育園

保育所・幼稚園児一人当たり、年間120万円程度です。

しかし、今後は幼児教育無償化の制度が導入されることによって、保育費の部分に関しては出費が抑えられることになるでしょう。

無償化について知りたい方は、

「幼児教育無償化の疑問点をわかりやすく解説します!」

をご覧ください。

幼稚園や保育園で無償化されない部分の費用については下記のようなものが挙げられます。

・面接、検定料 3〜5千円

・制服、カバン  1〜2万円

・園で使用する手提げ、お弁当の時のランチョンマット、弁当箱、給食袋など 3〜5千円

・お道具類 5千円

・給食費 5〜6千円

・バス代 月額3〜4千円

・行事、教材費  年間2〜3万円

実は教材費が意外に高かったりします。

年明けに、冷暖房費として5千円くらいをまとめて請求される場合がありますので、覚えておくといいでしょう。

 

入園準備のための手提げや、靴袋、お弁当や給食グッズなど、手作りできるものについてはできるだけ手作りすることで、安く済ませられることも出来ます。

 

 

小学校

幼稚園や保育園の時に比べたら、小学校は一番お金がかからない時期でもあります。。

平均で年間、約115万円程かかるとみていいでしょう。

そのため、ついつい習い事などにお金をつぎ込んでしまいがちですが、小学生の間が貯金をしておくチャンスです。

 

入学したての1年生と、修学旅行や塾代などが多くなってくる6年生が一番出費がかさむ傾向にあるようです。

主な出費に関しては、以下のようになります。

・入学準備  学用品や衣服代3〜4万(お祝いとしてもらうことの多いランドセルを除く)

・衣服、靴の費用 年間4万円〜

・給食費を含む教材費  年間10万円

・習い事  年間8千〜10万円

 

これに加えて、中学受験をする場合は、その費用として4年生からの3年間で約200万円くらいかかってきます。

高学年になるにつれて、課外活動費、塾代、中学受験の受験料など、家庭によっては支出が増える傾向にあります。

特に低学年のうちが、貯金をするチャンスと言えますね。

中学校

年間でかかる費用は約156万円となっていて、食費の他にも、教育費にお金がかかるのがこの時期です。

中学校の年間での学習費総額(教育費、給食費、課外活動費)の平均は,公立中学校で47万9千円,私立中学校では132万7千円となっています。(文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」より。)

中学校に入ると、塾に通わせる家庭がますます増えてくるからです。

上記の額に含まれる「課外活動費」には、塾代や、そのほかの習い事の費用も含まれています。

中でも、中学3年生になると、塾代が急に増えてきます。

その割合は、中学3年生だけを例に挙げると、公立中学に通う子供で約42万円、私立で約38万円になります。

高校受験の時期は出費が増えることを、今から予想しておいたほうが良さそうですね。

 

高校

内閣府の調査では、中学3年生までの子育て費用しかわからないので、中学3年の時点での養育費をもとに、算出して見ましょう。

平均すると、年間で、公立高校の場合、約127万円、私立高校だと、約186万円です。

 

ここから、学習にかかる費用だけをピックアップしてみます。

学習費の総額だけを見ると,公立高校(全日制)で45万円,私立高校では 104万円となっています。(文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」より。)

先ほどのように、塾などの「課外活動費」の額を高校3年生についてだけ見ると、公立で約20万円、私立だと約33万円です。

今後、大学に進むのと就職するのとでは、大きく異なってきますし、大学も国立、公立、私立では、金額の開きが大きいので、進路についてしっかりと子供と話し合っておかないといけませんね。

 

学習費総額

ここまで見てきて、公立と私立に通わせるのにかなりの差があるのがわかります。

学習費について、幼稚園から高校までを全て公立と全て私立に通わせる場合に分けてみると、下のようになります。

 

幼稚園〜高校3年までの学習費総額
全て公立 540万円
全て私立 1,770万円

(文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」より。)

こんなに差があるものかと、驚きますね。

 

大学

ここからは、主に日本政策金融公庫作成の平成 30年度「教育費負担の実態調査結果」に基づいて、説明していきます。

大学に関しては、国立、公立、私立、文系、理系によって、かなりの差が出てきます。

まずは入学にかかる費用から見ていきましょう。

 

入学および在学費用

入学費用の中には、受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への納付金が含まれています。

私立大学の場合だと、入学費用は理系で85万5千円、文系で90万4千円です。

国公立大学だと、入学費用は80万1千円です。

国公立大学に入学した人は、私立大学への学校納付金の負担割合が高い傾向にあるようです。

さて、入学後の授業料などを含む在学費用を見てみましょう。

私立大学での年間の在学費用は、理系で185万3千円、文系で160万1千円です。

国公立大学の114万8千円と比較すると、だいぶ違ってきますね。

これで、さらに、自宅を出て寮や一人暮らしをするとなると、賃料や、仕送りの分も加算されてきます。

子供を大学に通わせるのは、親としても覚悟が必要なんですね。

 

将来の支出に備えるための準備

子供にお金がかかると言っても、公的な支援の分も考えれば、上記のような金額全部を負担することにはなりません。

妊娠・出産にかかる補助や、児童手当て、扶養手当て、幼児教育の無償化、などがありますので、考慮に入れながら、備えをしていくといいでしょう。

学資保険の検討をしたり、最近では、祖父母からの経済的援助をもらう人も増えてきています。

孫への生前贈与は、毎年、孫1人につき110万円までは非課税となっています。

これらを上手に活用して、子供の将来に備えましょう。

まとめ

子供を育てるにはとにかくお金がかかる、というイメージが強いですが、確かに、こうしてそれぞれの時期にかかる費用を見ると、すごい金額なんだな、と思いますよね。

当たり前ですが、子供が小さいうちは、贅沢をせずに、ひたすらコツコツ貯める、そして、子供が大学に行く場合に備える、という意識を持っていることです。

日頃、こういう意識を持っていれば、無理なく、子育て費用を準備することが出来ますね。

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