春に入学式を終えて、やっと小学生になってくれたから、少しは手が離れるだろう、と思っていても、意外にそうでもないということが後からわかってきます。
まず、入学直後からもらってくるたくさんのプリント類、そして親が書かなければいけない書類の多さ、子供の明日の準備を手伝うことの大変さ、など、結構やることはたくさんあります。
少なくとも1学期中は、覚悟を決めて、しっかり面倒を見てあげる必要はあると思います。
毎日のこういう作業以外にも、初めての学校生活では子供も親も、気になる悩みが出てくるものです。
ここでは、小学校入学後に起こる悩みについて、主なものをピックアップして対処法とともに説明していきたいと思います。
目次
学校から帰ってきたらとりあえず話を聞く
学校で困ったことは起きていないか、何か悩みや問題はないのか、それを手っ取り早く知る方法は、何よりも、子供の話をよく聞いてあげることです。
朝から3時頃までずっと学校にいて、たくさんのことを学んだり、遊んだりしてくるわけですから、帰ってきたら話す事が山ほどあるはずです。
それに、小学生になったことで、一つ成長したことは子供自身も感じているはずですから、結構頑張っているものです。
だから、とにかく話を聞いてあげてください。
話す事で、子供の頭の中で、いろんな事がごちゃ混ぜになっているのが、整理されます。
楽しかった事、新しく教わった事、給食の事、嫌だった事、先生に褒められた事、ありとあらゆる事を、子供が話したがったら、全部聞いてあげるのです。
そうすることで、楽しかったことは思い出していい気分になったり、逆に悲しかったことを親に聞いてもらって気持ちが楽になったりするものです。
これをしないと、新しい環境で頑張っているのがだんだん辛くなってきます。
何かあっても、家に帰れば安心できる、という状態を、意識して作ってあげましょう。
それまでの幼稚園や保育園と違って、担任の先生から様子を詳しく聞くことは出来ないので、子供の口から聞くしかありません。
どんな友達がいるのか、何かトラブルはないのか、ということを知るためにも、必要なことなんです。
小1の壁で問題になる放課後の過ごし方
1年生は、学校から帰ってくる時間が、2:30〜3:30頃になります。
そうなると、それまで保育園に預けていた親としては、必然的に学童保育を利用することになるでしょう。
ただ、最近だと、放課後に、学校の空き教室などを利用して、子供達の遊び場を提供してくれている学校が増えています。
これは本当に便利ですよ!
私の住んでいる千葉県内でも、そういう学校がかなりたくさんあります。
働いている働いていないに関わらず、放課後子供を遊ばせたい、という場合には、行かせる事が出来るようになっています。
金額も、年間1,000円程度なので、とりあえず、登録しておくといいでしょう。
ここだと、子供同士が気軽に行って、自分で帰って来られる子は帰って来るし、親が迎えに行ってもいいのです。
色々なおもちゃや、絵本が置いてあったり、支援員の方が常時いるので、何かあっても安心ですよ。
時々、地域のボランティアの方が囲碁や将棋を教えてくれたり、工作をする日があったりするので、その日を楽しみにしていく子供も結構います。
これから、入学予定のお子さんをお持ちの方は、ぜひ、ご自分の地域の小学校に、このような施設があるのか、確認しておくといいでしょう。
学童に行きたがらないことも
小学生になると、本当にそれまでの環境がガラリと変わります。
朝も早いし、学校では時間どうりに行動しなければいけない、勉強も初めて、という状況で、最初は子供もかなり不安な部分が多いものです。
そんな時に、最初から学童に入れてしまったことで、学童に行きたくない、と言い出す子も少なくはありません。
そんな場合は、少し様子を見ましょう。
1学期は学童は諦めて、先ほどの、放課後の遊び場を提供している学校なら、そこで遊ばせたり、可能なら、仕事を調節して、学校から帰って来る時間には家にいるようにするなどの対策を取った方がいいと思います。
まだ1年生ですから、親に甘えたい頃です。
学校に慣れるまでは、安心して親に甘えられる時間があった方が、その後、独り立ちも早くしてくれる可能性が高くなります。
ここで無理をさせると、学校に行くのも嫌になってしまうことも予想されますので、慎重に考えてあげた方が良さそうですね。
入学直後から宿題は出るの?
多くの親が気になることの一つに、宿題があると思います。
「昔と違って、宿題が毎日出るって本当かな?」
「結構量が多くて、終わらないこともあるのかな?」
と、色々悩みどころが多かったりするのが、宿題ですよね。
娘の小学校では、5月に入ったあたりから宿題が出始めました。
毎日です。
もちろん、親がついていないと出来ませんので、ちゃんとついてあげて教えながら終わらせないといけません。
最初の頃は、同じ種類の仲間を集めましょう、という問題が出て、これはひたすら同じ仲間の動物や植物などに色を塗ったりするものです。
これはこれで、塗るのが結構大変。
いちいち色を変えるのが面倒になって、そのうち全部鉛筆の色だけで塗ってしまったり・・・
ひらがなと算数の問題も、そのうち出るようになりましたが、ほとんどが、表にひらがな、その裏が算数、という1枚のプリントです。
算数の文章問題は、読まずに適当に回答してしまう事が多いんですよ。
だから、まず問題を読むんだよ、と、教えてあげます。
子供にとって難しいと思われる問題については、おはじきや、お菓子などを使ったり、文章問題では、家族やお友達の名前を出してきて、身近な状況に文章を変更して教えてあげると、楽しいし、なおかつ分かりやすいのでおススメです。
宿題をやってくれない悩み
私の周りでも「子供がなかなか宿題をやらない」と言って、嘆いているお母さんを見かけますが、こういう子にはいくら「やりなさい」と言ったって、なかなかやってはくれません。
そんな時は、「今日って宿題あるの?」「いつやる?」という感じで聞くようにするといいでしょう。
こんな感じで、ある程度は子供に任せるようにすることも大切です。
中には夜中とか次の日の学校に行く直前にやろうとする子供もいるようですが・・
例えば夕飯を食べてから宿題に取りかかると、途中で眠くなったり終わらなかったり、ということがあって、子供の中でも、あまり遅い時間にやるのは大変だ、と思うでしょう。
そんな時は、「じゃあ明日は、夕飯の前に宿題終わらせるようにしたらどう?」という提案をしてみるのです。
そして、この時もあくまでも子供自身に考えさせて、どうするかを決めてもらうのです。
どうしても夜寝る前にやったり、朝起きてからやったり、という事をしていると、結局終わらなくて、困った、という経験も必ず出てきます。
でも、こういう経験をすることも必要なことですから、子供が自分で責任を持って、宿題をこなせるよう、見守っていくようにしたらいいでしょう。
終わらなかったら、連絡帳に、書けばいいだけのことです。
先生だって、いきなり1年生の宿題が終わらなかったからといって、怒る人は滅多にいないでしょうから。
忘れ物が多い
忘れ物が多い子は、おそらく、明日の準備を親が一緒にやってあげてないことから発生しやすいと思います。
最初から、一人で明日の準備をするのは到底無理なことです。
だから、必ず、一緒に時間割と連絡帳の内容を確認しながら、準備を手伝ってあげましょう。
子供によっては、忘れ物を先生に指摘されて、泣いちゃうこともあるので、出来るだけ、忘れ物のないように、確認してあげた方がいいです。
もし忘れたことに気づいたら、後から学校に届けても大丈夫です。
忘れ物をしても平気になってしまうと、後々、忘れ物をしても、友達に借りればいいやと思うようになる子もいるので、気をつけてください。
給食が食べられない
どんな親でも、子供が給食をしっかり食べられるのか、不安になることでしょう。
一昔前は、給食は残さず食べましょう、と言われて、私は無理して生野菜を食べて吐きそうになった経験があります(だって、マヨネーズもドレッシングもなくて、美味しくない塩をかけて食べたんですよ)
食べ終わらなくて、掃除の時間に、一人机を残されて食べてる子もいました。
嫌いなものを、隣の男子にあげたり、などなど、給食にまつわる話はキリがありませんね。
最近は、無理に給食を全部食べさせる、ということはさせない先生がほとんどです。
なので、それほど心配しなくてもいいと思います。
牛乳も、アレルギー持ちの子はもちろんのこと、単に嫌いというだけで、飲まなくても怒られませんし。
だからと言って、どんどん残していいというものでもありませんよ。
子供って、お友達と一緒のものを楽しく食べていると、結構苦手なものも頑張って食べようとするようです。
最近の給食は、きちんと栄養面やバランスを考えて、美味しくなっているので、うちの子の友達は、
「カレーライスは、家のより美味しい」
と言ってるそうでなんです。
実際、ルーは使わずに、スパイスをたくさん使っているらしいので、確かに家のより美味しいと言われても無理はないのかもしれません。
学校に行きたくないと言われたら
もし、子供に朝、「学校に行きたくない」と言われたら、あなたならどう対応するでしょう?
別の記事でも書いていますが、基本は、子供に同調して、決して無理に行かせようと思わない事です。
この他に、心理学的にアプローチする方法があります。
同調する際に、親が声のトーンを子供に合わせる事なんです。
子供が、いかにも行きたくなさそうに言っているからと言って、なんとか前向きな気持ちにさせようと、無理にこちらが明るいトーンで「大丈夫だよ〜」みたいな調子で言うのは避けましょう。
まずは、声を低めにして、気持ちに寄り添うような感じで
「学校に行きたくないんだね」
と繰り返せばいいのです。
これは、心理学用語で、ラポール(信頼関係)を築く行動になります。
ラポールと言うのは、相手のことを観察して、ミラーリング(仕草などを真似する)や、声の調子を合わせるなどをして、相手に安心感と、話を聞いてもらえる、と言う信頼感を持ってもらう、カウンセリングの手法なのです。
これをせずに、一方的に親がアドバイスしようとしても、なかなか子供は聞こうとしません。
子供の様子を観察しながら、話を繰り返して言っているうちに、ラポールが形成されていきます。
そこで、少しずつでいいので、親は声の調子を上げて、だんだん明るく言うようにします。
子供は、自分で解決策を考えると同時に、親につられて、不思議と声の調子も明るく変化していくようになるのです。
声が明るくなってくれば、気持ちも徐々に明るくなってきますから、その明るい調子を保ったまま学校に行ってくれれば、もう安心ですよね。
まとめ
小学校入学後に起こる悩みをまとめてみました。
入学してからは6年間あるわけですから、友達同士のトラブルなど、この他にも様々な悩みは尽きないものです。
でも、子供は、いろいろな壁にぶつかって成長していくものですから、いじめなどの大きな問題や、友達同士のトラブルで親が介入すると厄介なことになりそうな場合など、でない限り、子供の判断にある程度任せて、親は見守っていくのが無難でしょう。
本当に困ったことがあれば、先生に連絡して相談ができることも覚えておくといいと思います。