ラグビーワールドカップのおかげで、日本人の中にも、ラグビーファンがたくさん増えましたね。
ラグビーをよく知らなくても、「One for all, all for one(1人はみんなのために、みんなはひとつの目的のために)」という言葉を知っている人は多いでしょう。
ラグビーを語る上では欠かせない言葉ですね。
「スクールウォーズ」という、高校ラグビーを題材にしたドラマでも登場していた言葉です。
ドラマから何十年もたって、忘れた頃に、今回のラグビーでまた思い出しました。
この言葉、本当に良い言葉だと思ったので、忘れないうちに子供たちにも分かりやすく伝えられたらいいな、と思ったので、詳しく紹介したいと思います。
目次
One for all,all for one「1人はみんなのために、みんなはひとつの目的のために」
スクールウォーズは多くの名言を生み出した伝説のドラマですが、内容をあまり覚えていない人でも、この言葉だけはよく覚えている人は多いはずです。
ラグビーは1人1人のポジションがはっきり決まっているので、チームために役割を全うし、全員で力を合わせて勝利を勝ち取るためにプレーすることが大切、という意味で使われます。
もともとは、ヨーロッパに古くから伝わる言葉だそうです。
後半部分が「みんなは1人のために」ともとれるのですが、「みんなはひとつの目的のために」、でも、どちらでも良いとは思います。
状況によって、意味合いを適当に変えて使い分けるのもアリでしょう。
例えば、他のスポーツでもいいし、会社などの組織で動いている場合に、それぞれの役割をまっとうして、会社全体の利益をあげることを目標にする場合などです。
学校で行われる運動会や、文化祭、などの行事の際にも、子供たちに伝えるのに分かりやすくて効果的な言葉と言えますね。
この言葉、おそらく、日本人がいかにも好きそうな言葉なんだと思います。
その理由は、この言葉の意味をより日本人的に解釈すると、わかってくるからです。
勝利の先にある ”和”の精神
日本人は、和を大事にする国民だというのを、時々耳にすることがあるかと思います。
「和をもって貴し(とうとし)となし」と、聖徳太子も十七条の憲法を作った際に定めています。
もちろん、その前から、この和を大事にする気持ちは、私たちの中に自然に備わっていたのです。
そこで、和の精神を、「1人はみんなのために・・」の言葉の中にも感じることが出来ないか、と考えてみました。
One for all, all for ”和”
無理やり作りましたが、和と融合させると、こんな感じになります。
1人1人が周りのことを考えて、行動をすることで、調和が保たれる。
ひとつの目的を持つことも大切ですが、それに向かって、みんなで協力してそれぞれの役割を全うしているその瞬間にも、何かしらの全体的な幸福感を感じることってありますよね。
それって、つまり「一体感」というものです。
一体感を感じている時って、なんとも言えない、みんなの熱い空気を感じるものです。
もちろん、目的を達成した後にも、全員で喜びを分かち合うこともできます。
さらに、日本人的な感覚として、戦争などの戦いの際にも、例え敵であっても最後には敬意を表すという感覚があります。
日本の漫画やアニメの中でも、ヒーローの敵が、人間味溢れる描き方をされていたり、ときには主人公と仲良くなってしまうシーンもあるほどです。
相手が悪いやつらだから、と言って、ヒーローが1人で徹底的にやっつけてしまう、そんな海外のストーリーとはちょっと違うのです。
敵であっても、ときには融合させてしまう、そんな日本人特有の性質が、見てとれますよね。
これらのことから、私たち一人一人は、全体の調和、のために動くことで、さらに、大きな幸福感とか、一体感からくるパワーを感じ取ることもできるということなんです。
だから、One for all, all for ”和”と、ちょっと無理やりな感じもしますが、そう考えた方が、私たちにはしっくりくるのかもしれません。
一体感で得られる調和
この言葉が有名になったきっかけのドラマ「スクールウォーズ」は、なぜあそこまで多くの人を夢中にさせたのでしょう?
そこには、日本人の精神を熱くさせる、調和(和)の心を刺激するセリフがたくさん散りばめられていたことも大きいでしょう。
自分さえよければいい、余計なお節介は必要ない、という考え方は、どうも馴染めない気がします。
ドラマの中では、どうしようもない、不良しかいないラグビー部の顧問をつとめることになった滝沢先生が、毎回不良の生徒に向き合って、語るシーンが出てきます。
この先生がラグビーに対する情熱と、生徒たちを最後まで見捨てず更生させて、試合での勝利を勝ち取るストーリーは、まさに日本人の本来持っている魂を揺さぶるほどの感動を与えてくれました。
その根底にあるのは、目の前の人に、人間くさく、泥臭く関わって、和合し、融合しながら、全体の力を高めていき、それによって生み出されるものは、決して1人で生み出すもの以上の力があるという考え方なのではないでしょうか。
つまり、チームにしてもどんな組織にしても、仲間との調和が生まれれば、そのパワーも増大しますので、1+1=3、4、と、それ以上にもなっていくことが現実として、起きることを教えてくれているのです。
まとめ
現代では、学校でも職場でも、そこまで熱く、一体感を感じられる経験はなかなかできるものではないかもしれません。
しかし、仲間と一緒になって、”和”を意識して力を合わせれば、パワーを感じ取ることが出来ることを、子供たちにもわかってもらいたいものです。
もっともっとそういう経験をする機会を得られることが出来るようになると、いいですよね。