子供にピアノを習わせて、一番大切なことは、「毎日練習する習慣をつける」ことです。
習い事の中でも、家で毎日練習しないと上達しないのが、ピアノの特徴ですが、かといって、練習しない子供に「練習しなさい」と言い続けるのは、親にとってもストレスでしかありません。
そこで、練習を習慣化して、毎日やるのが当たり前、と思えるようにしてあげる方法をご紹介します。
目次
ピアノの練習には習慣化が大切
以下の5つのステップで、子供が自分から進んでピアノに向かうように導いてあげましょう。
1.目標をリアルにイメージさせる
ピアノに限らないことですが、何事も習慣化させるのに最初にやっておくべきは、目標を持たせることです。
「まだ小さいのに目標を持たせるなんてムリ」
と思わずに、とりあえず子供と一緒にやってみましょう!
例えば、発表会に出る、だけでもいいのです。
最近の発表会は、親子で連弾させるところもありますし、子供だってママやパパと一緒に舞台に立つ、というのはちょうど良い目標になります。
もちろん、「プロのピアニストになって、ホールで演奏したい」でもいいのです。
子供向けのピアノコンサートに連れて行って、本物のピアニストを見せるという手もあります。
別にピアニストでなくても、ミュージシャン、声楽、作曲、など、ピアノがきっかけとなって出来ることはたくさんありますし、子供の興味を引き出すように話をしてみてください。
そうして、
「もしそうなったら、周りにどんなものや人が見える?」
「〇〇ちゃんは、その時どんなことを感じてるかな?」
「聞こえてくる音は?」
など、五感をフルに使うように想像させるのです。
そうなった自分を紙にお絵描きさせてもいいでしょう。
リアルにイメージすることが重要ですので。
実は、これをするのとしないのとでは、目標に進むモチベーションが全然違うのです。
「そうなるためには、何をしたらいいのかな?」
と聞いてあげると、今から練習を続けることが大切なのだと自分で気づくはずです。
2.1日のうちで練習する時間を決める
基本は毎日少しでも弾くことです。
それも、最初のうちは、5分でも3分でもいいし、ただピアノの前に座るだけでもいいのです。
座っただけでも、「今日はピアノをやった」、という気持ちになることが重要だからです。
最初に、「毎日30分練習する」とハードルを上げてしまうと、例え10分練習したとしても、
「今日は10分しか練習できなかった・・・」
となるからです。
そうではなく、座るだけでもいいんだ、と思っていれば、「よし、今日は座った」と、満足することが出来て、達成感が得られるので、練習へのモチベーションも上がるでしょう。
また、1日のうちで、いつ練習するかも決めましょう。
その時に大事なのは、何かと何かの間に練習を入れることです。
幼稚園や小学校から帰って来て、遊びに行く前、とか、夕飯を食べ終わってゲームをする前、とか、こんな感じです。
単に帰って来てから練習、夕飯を食べたら練習、とすると、練習した後の予定がないので、練習することにエネルギーを要してしまいます。
練習した後にやることを決めておくと、それをやるまで頑張ろうという気持ちになるはずです。
見える場所にカレンダーを貼って、練習した日に好きなシールを張って見える化する方法もいいと思います。
それによって、「こんなに毎日練習できたんだね」「この調子で頑張っていこうね」と声をかければ、子供も嬉しくなりますね。
3.ピアノがすぐ弾ける状態にしておく
勉強でもそうですが、机の上や周りが散らかっていると、勉強のやる気も起きないし、集中できませんよね。
それと同じで、ピアノや椅子の上にオモチャなどが山積みになっていては、ピアノを弾き始めるまでの初動に時間がかかり過ぎます。
出来るだけ整理整頓を心掛けるといいでしょう。
他にも、ピアノが置いてある部屋が、暑すぎたり寒すぎたりするようだと、エアコンを付けて温度を調節するのに時間がかかったり、その部屋に行くことそのものに抵抗が出ます。
また、練習前には、親がピアノのフタを開けて、楽譜を開いてセットしておくことで、座った時に目の前にピアノと楽譜があれば、とりあえず弾こうかな、という気持ちにさせることができます。
4.子供がピアノに向かうように声かけする
親から「練習しなさい」とうるさく言われては、当然ですが、練習しないものです(笑)
声かけのコツは、
「帰って来て遊びに行く前にやることあったよね?」と、あくまでも、毎日この時間に練習することを思い出させるような言葉をかけることです。
自分で気づいて行動することが、練習が当たり前に思えるようになるポイントなのです。
5.親が練習を見てあげる
子供が小さいうちは親が練習に付き合ってあげましょう。
その時に、いちいち間違えた箇所を全部指摘するのではなく、たくさん褒めてあげましょう。
ピアノを習ったことのある方なら分かるかと思いますが、ピアノの練習は、楽譜を見ながら、右手と左手で別々の部分を弾いて、かつ速さや強弱を気にしながら弾いていくという、大変高度なことをしているのです。
そんな難しいピアノを子供が少しでも弾けるようになったら、すごいことなんです。
たくさん褒めてあげれば、ヤル気アップにつながります。
また、練習の際に、いきなり両手で弾いてばかりだと当然間違えるので、片手づつ練習するといいよ、とか、間違えたところだけを何度も弾くといいよ、など、さりげなく練習の仕方を教えてあげましょう。
ピアノの先生にも、家でのアドバイスの仕方を聞いておくといいと思います。
どうしても練習をサボりがちな場合は?
子供が全く練習をしようとしない、ということもあるかと思います。
そもそもピアノ自体が嫌いなのか、先生と合わないのか、ピアノは好きだけど練習が嫌なだけなのか・・・
親としては、子供に一つのことを続けて欲しいとも思うし、でもお金のことを考えると、無駄に月謝を払うのも大変だし、と悩むところですよね。
好きな曲を練習させる
クラシックの曲というのは、ピアノの練習には最適ですが、実際にそればかり続くと飽きてしまうこともあります。
子供が、ピアノは別に嫌いじゃなさそうだし、歌も好きだったりするけど、練習をしたがらない、という場合、今一番弾いてみたい曲(アニメの主題歌やJーPOPなど)を聞いて、弾きたいと言ったら、先生にお願いするのもひとつの手です。
好きな曲を自分で弾けるようになると、非常に満足度が高くなり、他にも弾きたい曲が出てきて、通常の練習も頑張るようになるかもしれません。
やめたいかどうかを聞く
もしかして、ピアノをやめたいと思っている時、子供の方は、自分から習いたいと言いだしたのに、こんなに早くやめたいとは言いずらい、ということがあるものです。
子供なりに気を使っているものなんですよね・・・
そんな様子が見られる時には、思い切って、「嫌なら辞めてもいいんだよ」と親から切り出してはどうでしょう?
その言葉を待ってました、とばかりに、やめることになるケースもありますが・・
それに、ピアノはやめたとしても、またやりたくなったらいつでも再開できる、ということも伝えておくといいでしょう。
まとめ
私自身も、ピアノの練習を毎日真面目にしていたわけではありませんでしたが、ピアノを弾くこと自体は大好きだったので、長く続けられました。
当時は、先生が毎週決まった曜日に訪問してくれていたので、「明日わざわざ先生が家に来るんだから練習しなきゃ」と思って前日にあわてて必死に練習していたのを覚えています(笑)
クラシックだけではなく、当時流行ったアイドルの曲を弾いてみたりなど、楽しめることが他にあったのも、続けられた理由の一つでしょう。
ガチガチに練習だけをさせようと思うのではなく、子供がピアノは楽しい、と思えるようになりさえすれば、勝手に練習するようになるものです。
優しく見守ってあげましょう。