叱る時に、いつも同じ調子で、声を張り上げても、子供の耳には全然入っていないことがあります。
「どんなふうに叱るのが一番いいの?」という方の疑問に、お答えします。
目次
わたし目線で言う
まず、一番やって効果を発揮するのは、これしかないと、いうくらい効果的なやり方があります。
それは、「叱る」のを後回しにするのです。
子供が何かやった時に、親はまず「コラー」と言って、叱りたくなるものです。
が、
それだと、漫画みたいに、子供がふざけて逃げ回ったり、わざと繰り返したり、親も、声を張りあげてばかりで、疲れてしまいますよね。
叱りたくなったら、コラー、は忘れましょう。
じゃあ何て言うべきか、それは、わたし目線の言葉を使うのです。
「ママは悲しい」「びっくりして怖かった」「不安で仕方なかった」などですね。
自分がどんなふうに感じたか、と言うことを先に伝えることで、子供の心に響くことになります。
子供にとっても、一番大切な親が、どんな気持ちなのか、ということは、気になる部分でもあるからです。
必ず理由を言うこと
叱る時には、必ず「理由」を言うようにします。
理由を言わないと、子供自身は、なぜ自分がやっていることがいけないのか、全く理解出来ないだけではなく、ただ、ダメだと言われると、自信までなくす可能性もあります。
例えば、子供が「ディズニーランドに行きたい!」と言い続けて、親が「ダメダメ」、と言い続けるようなパターン、ありますよね。
なぜ行けないのか、なんでもいいので理由を言ってあげることが大事なんです。
「入学準備でお金がたくさん必要なの」とか「インフルエンザにかかりやすい時期だから、あったかくなったら行こうね」など、その時思いつく理由を言えばいいだけです。
子供は親が説明してくれる「理由そのもの」に納得するというよりも、親が、自分に向き合って、ちゃんと考えてくれているという態度を感じ取って、納得するのです。
シチュエーション別の叱り方
いつどんな時に、何をしたら叱るべきか、またダメな叱り方について、具体的にみていきましょう。
道路に飛び出す
道路に飛び出そうとする、そんな時は、しっかりと、かつ落ち着いた低めの声で叱らなければなりません。
できれば、交通ルールについて事前に教えてあげるのがベストですが。
それでもやろうとした場合は、子供にとって、危険なことがまだ理解出来ていない可能性もあるので、何度も説明してあげることが大切です。
「飛び出したら、車にひかれて大怪我をして、すごく痛いんだよ」
と、理由をちゃんと説明してあげましょう。
熱いものをさわろうとする
子供が熱いものに触ろうとすると、親の方もびっくりして、「ダメ」と、いきなり手を叩いたりしてしまうこともあるでしょう。
そんな時にとってもカンタンで効果的な叱り方があります。
それは、子供の手を上から両手で少し強めにぐっと力を入れて、(あくまでも痛くない程度に)「すごく熱いからね」と言うだけです。
このやり方には、親としての、愛情も一緒に与えられることができるので、大変オススメな方法です。
友達を叩いたり意地悪をしている
お友達と遊んでいる時に、相手のことを叩いたり、押す、ものを貸さない、などの意地悪をしている場合。
こんな時、一番やってはいけないのは、自分の子供が叩いている瞬間だけを捉えて、「なんでたたくの!ダメじゃない」などと、頭ごなしに叱ってしまうことです。
子供同士の喧嘩にも、それまで何かあった可能性があるからです。
もしかしたら、相手の子が先に意地悪をしてきた、遊んでいるうちに、悪ふざけが度を越してきた、など、いろいろな理由があります。
ですので、状況がわからなければ、まずは、しばらく様子を見ます。
その間に、勝手に子供どうしで、仲直りすることが多いものです。
子供のケンカには、あまり最初から親が口を出さない方がいいかもしれません。
それでもなかなかおさまらない時は、理由を聞いて、まずは、子供の「悔しかった」「許せなかった」などに共感してあげるのがいいでしょう。
その上で、例えどんな理由であっても、お友達を叩くことは、相手に痛い思いをさせることだからやっちゃいけないんだよ、と言ってあげましょう。
公共の場で迷惑をかける
よく、レストランや電車などで、騒いだり、走り回る子供に、どう注意するべきか、悩むことはありませんか?
おそらく、その場で何度言っても、やめずに、周りに迷惑をかけてしまうことがあるかもしれません。
公園などの場所と違って、静かにしていなければいけないことが、わかっていない可能性があるからです。
できれば、出かける前に、公園などとは違うのだと教えてあげるのがいいですが、出かける前はバタバタしているものですよね。
子供は、何かに夢中の時はおとなしいものですので、そういう時のために特別なお菓子などの食べ物を用意したり、買っておいた新しい本などを準備しておくのがいいでしょう。
ものを大事にしない
平気でおもちゃなどを投げたり、壊したりするような場合、子供にも理由があったりするものです。
投げて遊んでいるのが楽しいこともあるでしょう。
子供が楽しそうにしていたらな、「楽しいね」と言ってあげればいいのです。
それが、毎回とか、壊れるくらいまでいくようなら、「おもちゃも痛いと思っているかもしれないよ」とさりげなく、教えてあげるといいでしょう。
一方的に叱らなくてもいい年齢別の叱り方
成長と共に、叱るべき場面は変わっていくものだけれども、毎回一方的に叱ってしまうことを避けるための方法があります。
子供の年齢に応じた、対応の仕方をまとめました。
1〜3歳
ちょうど好奇心が出てきた頃で、動き回って、あちこちに登ったり開けたり、予期しないことをやる時期です。
この時期は、こちらが注意しても、子供は理解できないものです。
あらかじめ、危険なものを置かない、高いところに登らないように台を置かない、など、とにかく危険を排除して、叱る場面そのものを少なくすることが大切です。
いらなくなった調理道具やタッパー類を、わざと食器棚の下の方の引き出しに入れて遊ばせたり、便利なおもちゃも活用してみるのはいかがでしょうか。
4〜6歳
この頃になると、自分が叱られた理由が理解できるようになってきますので、理由はちゃんと言ってあげましょう。
また、お友達とのトラブルにおいても、自分で状況を説明するようにもなってきます。
本人が、話をしはじめたら、とにかく、最初は聞いてあげましょう。
そのあとで、こういう時は、どうしたら良かったのか、について、子供と話し合うのです。
そうすれば、一方的に叱ることを避けられるはずです。
小学生
小学生になると、親に叱られるのが嫌で、嘘をついたり隠したりすることがあります。
だからと言って、「あなたが悪い」と決めつけるような言い方はするべきではありません。
この頃になると、子供にもプライドが出てきます。
常に、自分が悪いと決めつけられると、子供にとって、自分の価値を認めてもらえない、話を聞いてくれない、と自信をなくすことになります。
子供に叱りたくなるようなことがあったら、そのことに対して、親自身がどう思っているかを、最初にお伝えした「わたし」目線で伝えましょう。
「あなたが、嘘をついていると知ったら、悲しい」
「隠し事をされるのは、嫌な気分だわ」
と、気持ちを伝えるのです。
嘘をついたり、隠し事をするのにも、子供なりに理由があるかもしれません。(万引きなどの犯罪は別ですが)
これくらいの年頃になると、親に言いたくないことだってあるでしょう。
しつこく根掘り葉掘り聞くことよりも、親としての気持ちを感じ取ってもらうことが大切です。
その上で、「あなたのことは、本当に大好きなんだよ」と伝えることを忘れないようにしましょう。
それでも言うことをきかない時にさらに効果を発揮する上手な叱り方
いくら言っても、全然効果がなくて、同じことを繰り返している、という場合は、叱り方に原因があるかもしれません。
まずは、一番大事な方法から紹介しましょう。
ず〜っと言い続けていないか?
子供が楽しく遊んでいるのに、それを監視しているかのように、常に注意している親を見かけることがあります。
それだと、ただの小言になって、子供は慣れきってしまいます。
つまり、親の言っていることが全然耳に届かなくなるんですね。
多少の細かいことは気にしないように、人に迷惑をかけないことであれば、少しは見て見ぬ振りも必要ではないでしょうか。
普段から親子の信頼関係を築いているか
子供の立場からすると、普段自分のことを気にかけてもくれないのに、悪いことをした時だけすごく怒られる、というのでは、納得いかないでしょう。
子供の話を黙って聞いてあげたり、目を見て話をしたり、スキンシップを取ったり、これらは、子供との信頼関係を築くのに大切なことです。
それがないと、子供にとっては、叱られた時に、なんの愛情も感じることがなくなってしまいます。
日常で、愛情のある親子関係があれば、叱った時に、効果を発揮するようになるはずです。
ヤンチャな男の子の場合
男の子、特にヤンチャな子供だと、それだけ、危険なこともするし、友達とのトラブルも多かったりするでしょう。
親としては、常に目が離せなくて、イライラするかもしれません。
ただ、こういう子には、その都度、小言のように叱っていては、大した効果はなく、何度も同じことを繰り返す可能性があります。
ヤンチャな男の子ほど、ある程度のことは、見守って自由にさせてあげて、本当に叱る場面がきたら、短く、ビシッと伝えれば、効果が出るものです。
まとめ
子供に叱るのは、難しいですが、難しいと感じているのは、それだけ、子供のことを思っているという証拠なんです。
ゆったり構えて、周りに迷惑をかけないようなら、自由にさせてあげて大丈夫ですよ。