引きこもりが社会問題になって久しいですが、近年話題なのが、「引きこもり主婦」の存在。
専業主婦と勘違いされそうですが、専業主婦と引きこもり主婦とは全然違います。
専業主婦は、仕事を持っていなくても、毎日買い物や趣味、地域や学校のボランティアなどで出かける場合がありますが、引きこもり主婦になると、それさえもせずに、家にいる状態が何ヶ月も続いている状態のことを言います。
平成30年度に、内閣府が40〜64歳までの男女に引きこもりについての調査を行ったところ、61,3万人が引きこもりの状態にあり、そのうち、14万人が、専業主婦・主夫、家事手伝いという結果が出ました。
ネットの普及で、家でも特に不自由なく生活できることから、気づいたら、引きこもりになっていた、となることもあるでしょう。
引きこもる行為には、メンタル的な問題がある場合が多いので、そのあたりの違いから見ていきましょう。
目次
主婦の引きこもりの特徴と原因
仕事をしていない専業主婦は、どうしても外出の機会が減ってしまうので、引きこもりになりがちです。
それでも、スーパーに行ったり、地域や学校の用事で出かけて、誰かと会って話すことがあるのなら、引きこもりにはなりにくいと言えます。
それが、人と会うことや、家から出るのさえも億劫になり、その状態が何ヶ月も続くようだと、引きこもりの傾向にあります。
家でも、ネットやテレビ、ゲームなどに没頭する、食材は宅配サービスや、コンビニの惣菜で済ます、という具合に、生活することに意欲が感じられない状態です。
単なる面倒くさがり、とか、人付き合いが苦手、だけでは片付けられない”主婦の引きこもり”の原因には、以外にも深い事情があるのです。
メンタル面の原因
何をするにも1日中やる気が全く起きない、落ち込むことが多くなった、以前は家の掃除をしていたのにほとんどしなくなり、何をしても楽しくない、などの場合は、メンタル面での問題を疑ってみるべきです。
家族である夫や子供が、気づいてくれるといいのですが、大したことないと思って見過ごされがちなこともあります。
少しでも思い当たることがあれば、早めに専門家に相談してみることをお勧めします。
出産が原因
産後うつから、引きこもりになることもあります。
出産によって、女性ホルモンの急激な減少により、気分が落ち込んだり、疲れやすくなったり、などの症状が現れることがあるからです。
ただでさえ、出産は女性にとって大きな仕事です。
体が以前のように思うように動かなかったり、育児の忙しさから栄養バランスだって崩れやすくなります。
イライラしやすいのもそのせいと言えるでしょう。
それが原因で、自分を責めたり、子育てに楽しみを見出せなくなり、そのストレスを外で発散するのではなく、家でネットやゲームにはまっていくことも考えられます。
これも夫が気づいてあげられるとベストですが、肝心の夫が、妻や子供に無関心だと、そのままになるケースもあります。
産婦人科などの専門機関で早めに相談するなど、対策を取ることが重要です。
子供の自立が原因
いわゆる”空の巣症候群”と言われているもので、子供の自立によって、急に心にぽっかり穴が空いたような気持ちになり、何もやる気が起きない状態が続くことです。
世話好きで、子供に執着しており、かつ夫婦の会話があまりない場合に多いと言われています。
夫に話しても忙しくて話を聞いてくれない、気持ちを分かち合う友人がいない、となると、朝起きられない、何もやる気が起きない、という状態から外に出るのも億劫になりがちです。
世話をする対象として、ペットを飼ったり、家庭菜園を始めるなど、愛情を注ぐものを見つけることも一つの解決策となるでしょう。
引きこもりの子供が原因
実は、意外に知られていないのが、引きこもりの子供の面倒をみているうちに、自分も気づいたら引きこもりになっていた、という状態です。
子供が何年も引きこもりになっており、その世話のために仕事をせず、近所の目が気になるので、外出も控えるようになることから、親子で引きこもりになるケースもあります。
引きこもりの子供が、親の引きこもりまで引き起こしてしまう、という連鎖が起きているのです。
行政などに相談して、子供の引きこもりと合わせて対処を考えた方がいいでしょう。
引きこもり主婦から抜け出すには
上にあげた例は、特定の原因がはっきりしている場合ですが、そうでない場合もあります。
仕事もしておらず、これといった趣味もなく、親しい友人もいない、人付き合いが苦手、などが原因の場合は、自分で改善できる可能性が高いです。
下記に、すぐに始められる、引きこもりから抜け出すための方法をご紹介します。
毎日外出する習慣をつける
毎日、家の外に出ることだけでも目標にすることです。
用事がなくても外に出て、家の周りを歩いたり、自転車に乗るだけでも大丈夫です。
ついでに、近所のコンビニに寄ったりしてもいいでしょう。
誰かと会話しなくても、一日一回は外に出る、という習慣を一つ作るだけでも、引きこもりから抜け出すきっかけになります。
食材も、ネットスーパーではなく、出来るだけお店に足を運んで、自分で一つ一つ手に取って買うことを、意識してやっていきましょう。
話し相手を見つける
家族以外に話し相手がいない、人と関わるのが苦手、と思っている人でも、外で挨拶くらいはできる人はいるものです。
たとえば、コンビニの店員、行きつけの美容室のスタッフ、近所の人、子供の友達のママ、など、雑談までしなくても、笑顔で会釈をするくらいでもいいので、意識して初めてみましょう。
その時にはできれば「笑顔」を忘れないことです。
これって、とても重要です。
作り笑いでもいいので、笑顔の人でいれば、自分から話しかけなくても、相手から親しみを感じてもらうことが出来ますので、向こうから話題を提供してくれることもあるでしょう。
悪い習慣を見直す
いったん引きこもりになってしまうと、テレビやスマホ、ゲームばかりの生活に偏ってきます。
テレビは、一度つけたら、一日中付けっ放しになりがちなので、例えば、朝のニュース番組を見たら消すとか、食事の時は付けない、など決めて実行してみましょう。
録画したドラマをひたすら見てしまうのも、良くない習慣です。
いくつもドラマを録画していたのなら、1〜2個にしてみるなど、数を減らせば見るものもなくなるので、テレビを見る時間が減っていくはずです。
スマホやゲームの場合は、依存症になりやすいので、例えば、自分が1日のうちで何時間くらい画面を見ているのか、そのせいで家事や育児がおろそかになっていないか、一度確認してみましょう。
あまりにも依存していると思われる場合は、一定の時間電源を切って、見えない場所にしまっておく、ということを試して、出来るだけスマホを触らないような状態にしておくことです。
本や新聞を読む
引きこもりになってしまうと、何かをする意欲そのものが湧いてこない傾向になりがちです。
本や新聞を読んで、脳を働かせることは、意欲を持つためには重要です。
本も、スマホで読むのではなく、ちゃんと紙の活字を読むことに意味があります。
ぜひ、毎日、1ページでもいいので、本を読む習慣をつけてみてください。
読みたい本なんてない、と言っている人でも、図書館や本屋さんに行ってみましょう。
別に本を借りたり買う目的を持たなくてもいいので、ただ、ちょっと行くだけでいいのです。
そういう場所に行けば、自然と興味のあるものを手に取ってパラパラとページをめくってみたくなってきます。
例えそれがファッション雑誌でも、気になる服や雑貨が見つかれば、それがきっかけとなって、買い物に行く意欲も湧いてくるでしょう。
テレビやスマホを眺めることが、受動的な活動であるのに対して、本を読むことは能動的な行為なので、多くの刺激が脳に与えられ、かつ集中力がつきます。
それによって、興味の範囲も広がり、脳の活性化によって少しずつ意欲も湧いてくるはずです。
趣味を見つける
やりたいことも特にないし、趣味もない、という人の場合、どうやって見つけたらいいのでしょう?
趣味がない、と言っている人でも、よくよく話を聞くと、何かしら興味のあることがあるはずです。
本当にない、という場合は、自分が子供の頃、好きでやっていたこと、やりたかったけどやらなかったこと、など、過去を振り返ってみるのもオススメです。(私は、そうやって、中学生の頃憧れていたジャズピアノを、40代になって習い始めました。)
趣味と言っても、どこかのスクールに通うものばかりではありません。
それだと、自分で調べて、申し込んで、お金を払って、新しいグループに入る、という抵抗感があります。
例えば、「毎日散歩する」、というのでも立派な趣味です。
同じ時間に散歩に出かけていれば、同じ人と顔をあわせる可能性も高くなります。
特に、早朝は、お年寄りが多く、皆「おはようございます」と、知らない人同士でも結構挨拶しているものです。
顔を覚えてもらえれば、そのうち天気の話などから会話を交わすことにつながるかもしれません。
他にも、手先が器用な人は、自分で作った小物を、ネットを使って売れば、それだけ外出の機会も増えることになります。
とにかく、ゲームや、録画したドラマを見る、以外の趣味で、外に出て、人と関わるような趣味を持つことが一番です。
誰かの役に立つことを探す
得意なことも趣味もすぐに見つからない、という時には、地域のボランティアに登録する手もあります。
自治体のホームページをチェックすると、結構たくさんのボランティア募集の情報が載っていたりするものです。
内容は、
・介護施設でのお手伝い、お年寄りの話し相手
・不登校児の学習支援
などが多いですが、何か自分にできることはないか、窓口に相談してみることで、提案してくれることもあるでしょう。
ボランティアなんて、と思うかもしれませんが、「自分や家族以外の他人のために役に立つことをする」ことは、周りに関心を向けられるようになる良いきっかけとなります。
自分がいることで何かの役に立っている、という意識を持つことは、生きる上で必要な感覚なのです。
自宅でできる仕事から始める
それまで引きこもりだった人が、いきなり毎日外で働くのは、抵抗があります。
例え、週に1回でも、知らない人と一緒に仕事をするのは、人付き合いが苦手で引きこもりになってしまった人には、特に難しいものです。
まずは、自宅にいながらでも出来る仕事を探してみましょう。
私の場合は、引きこもりではなかった(と思う)のですが、退職して10年以上も経っていたので、普通に働ける勇気がありませんでした。
それに、週に2〜3日でもアルバイトをすると、家事育児が中途半端になって、ますますイライラしそうだったので、在宅で出来る仕事を探し始めました。
正直、特別な資格のない主婦が在宅で出来ることって、ほとんどありません。
せいぜいアンケートに答えるくらいなものです。
単価も10円〜とか、あり得ない金額ですが、スマホでパッと答えるだけという手軽さで、お金がもらえるなら、と思ってやってみたこともありましたが、ちょっと虚しくなりました・・・
でも、数さえこなせば、そこそこのお金になることは間違いありません。
もちろん、アンケート以外にも高単価の案件も揃っていますので、出来るものがあれば連絡してみるといいでしょう。
在宅ワーク専門のサイトに登録しておけば、新規の案件が次々に表示されるので、自分に合った仕事を見つける可能性も高くなるでしょう。
依頼者側とメールやチャットでやり取りしていくうちに、コミュニケーションを取ることに慣れたり、仕事そのものに対する抵抗をなくしていけると思います。
まとめ
自分で引きこもりの傾向にあるな、と思ったなら、ぜひ、上記のことでできることから始めてください。
そのまま引きこもって家事などもしなくなってしまっては、一緒に暮らす家族にも影響が出てきます。
自分で解決できそうなことはやって、メンタル面や健康面での心配がある場合は、早めに相談窓口に連絡しましょう。